種の進化

生命の発生と進化に適した惑星や衛星において

生命の進化は、最も進化した種が文明を手にした時点で

終わってしまう

 

種の進化ではなく、道具の進化で

適応したほうが圧倒的に効率的だから

 

そして文明を手にした種は、その星を制圧し

他の種の進化の可能性を消してしまうから

 

この地球で、ニンゲンが初めて文明を手にした

だから、ニンゲンが存在する限り、この星では

種の進化が止まってしまう

 

 

プロローグ 3

「君たちはすごさに気づいていない」

「太陽系と地球の」

 

「君たちが呼ぶ、太陽」「ありふれた恒星?」

「どれだけおとなしく」「長生きで」「あたたかく」

「物わかりの良い」「すばらしい、ほし」

 

「そして太陽系」「偶然の産物 そして調和」

「まるで母の周りで遊ぶ子供を 見守る姉たち」

「姉たちをかいくぐりながら 潤いをもたらした彗星」

「偶然といえ あまりにも偶然」

「このような調和が生まれる確率は」

「極めて低いのだよ」

 

「そして地球」「双子の妹を犠牲に」

「妹を盾に身を守り」

「水をたたえ」「炎を潜め」「土をあらわし」「風をまとう」

「青と緑の惑星」

 

極めて低い確率を 積み重ねた 奇跡の星 地球・・

プロローグ 2

ちょっと待って

 

何が言いたいの

 

稀有なのは地球?

守るべきものは地球?

 

「そう」

 

「今、銀河系に地球のような恵まれた星は、8個もない」

「あぁ、いま存在する中でだが・・

 

さっきも聞いた いま存在する?

8?

 

「私のいた星は、もう、終わりが見えた」

超新星爆発が、まもなく起きる」

「高確率で」

「何年先かわからないが」

どんなに進んだ文明でも

超新星爆発は、避けることはできないのだよ

 

いや、8個って・・

 

「あぁ、君たちの言う、8進数なのでね」

「そんなことより」

ニンゲンは、地球を、殺そうとしている

 

 

プロローグ

夢の中で「神」と出会った

 

その「神」は、今までの地球の、人類の信仰する、または信仰した、いわゆる神とは全く違っていた

 

何と呼ぶべきか

名前がないと意思疎通にも困るのだが

名乗ることはなかった

 

なにものなのか

目に見えた?夢の中で見えた?

声だけ・・

 

尋ねた

 

「君たちが呼ぶ、銀河系」

「銀河系で最も進んだ文明をもつ星から来た」と、そう言った

「あぁ、たぶん いま存在する中でだが・・」とも言った

 

言った?というよりも、頭の中に直接響いた

 

「君に、私の意思を、地球に伝えてほしい」

 

「選んだわけではない」「あぁ偶然だ」「選ばれた?」「君の脳が」

「間違えてはいけない」「私の声を受け止めた」「名誉なことではない」

「たまたま」「そう」「偶然だ」

同時に、頭に響いた

 

「君の考えはいらない」「悲しむべきこと」「不要だ」

「私は、ニンゲンの為にはならない」「君たちが呼ぶ、地球は」

「このままでは、ニンゲンは」「実は稀有な存在なのだ」

「間違いなく伝えることだ」「銀河系の中でわずかな」

「滅ぼしかねない」「守るべきものなのだ」

また、同時に、響いた

 

「このままでは、ニンゲンは、不要な存在だ」